主に中小企業向け融資に設けられている各自治体による融資制度。
利子補給など有利な内容になっていますが、実は各自治体への申込だけでは利用ができません。
申込のあとに信用保証協会や銀行の審査に通らないと利用ができません。
自治体の融資制度は自治体ではなく銀行が融資を実行する
自治体の制度融資は実際に融資を行うのは銀行などであって自治体自身が行うものではありません。
自治体はあくまでも制度融資のあっせんだけを行います。
自治体の融資制度を受ける際の手続きはおおむね次のようになります。
自治体制定の制度融資の利用手続きの流れ
1.各自治体で制度融資の利用資格の認定を受け、自治体から銀行宛の「融資あっせん書」の書類の発行を受ける。
2.利用希望者は銀行窓口で融資あっせん書を添えて融資申し込みの手続きを行う。
3.受け付けた銀行および信用保証協会で与信面の審査を受ける
4.与信面の審査の結果、通れば融資実行、否決されれば融資未実行。
ざっとこんなところでしょうか。
自治体は利用資格の有無を審査するだけ
銀行窓口で実際に管理人が出くわすケースで多いのが自治体から「融資あっせん書」の発行を受けたから融資が受けられると考えている顧客です。
自治体はあくまでも利用希望者が融資制度の利用資格があるのかないのかを審査するのであって、与信面の審査、つまり貸せるか貸せないかの審査は行っていません。
与信面の審査は銀行や信用保証協会が行う
与信面の審査、貸せるか貸せないかの審査は銀行と信用保証協会の双方が行っているのです。
さらに銀行では与信面の審査に加えて、銀行の採算面の側面もチェックしています。
というのは自治体が制定している融資制度は利用者の便宜を図って低利率のものが多く、この低利率では銀行自身が十分な採算を確保できないものがあります。
このような場合、銀行は与信面の審査には問題がなくても採算面の確保が難しく、融資の利用をお断りするケースもあります。
まずは銀行に相談に行くのがおすすめ
このようにせっかく自治体で制度融資のあっせんを受けても銀行や信用保証協会の審査により利用ができないケースがあります。
自治体から制度融資のあっせんを受けるに際して手数料のようなコスト負担はありませんが、時間がもったいないです。
したがって自治体の制度融資を受けようとする場合には、あっせん手続きの前にあるいはあっせん手続きと並行して銀行に融資相談を行った方が効率的です。
相談を受けた銀行では事前審査を行ったり、ケースによっては信用保証協会に事前相談を行ってくれたりします。
もちろん最終的に銀行や信用保証協会できちんとした審査を受けなければなりませんが、ある程度、制度融資の審査が通るかどうかの見通しはつかめるはずです。
その方が効率的で時間を無駄にするようなことを避けることができます。