住宅ローンの審査においてはクレジットカードの支払状況も重要な参考情報として取り入れられています。
ところでクレジットカードの支払を延滞した場合、住宅ローンの審査は通らなくなるのでしょうか?
実際にはクレジットカードの支払を延滞しても住宅ローンの審査が通るケースがあります。
クレジットカードの支払を延滞しても住宅ローンの審査が通るケースについて融資担当の銀行員が説明をします。
目次
個人信用情報と住宅ローンの審査との関係
住宅ローンの審査では必ず個人信用情報が調査されます。
まずは個人信用情報が住宅ローンの審査にどのように影響するかを説明します。
個人信用情報で住宅ローン以外の借金を調査する
住宅ローンを申し込む際には他の借金があるかどうか、他の借金がある場合、現在の借金残高はいくらかを必ず申告する欄があります。
ただしそこで正直に他の借金があると記入しても、あるいは借金があるにもかかわらず他の借金はないと記入しても、住宅ローンの審査では必ず個人信用情報が調査されます。
個人信用情報で他の借金の有無を調査する
個人信用情報の調査により他の借金の有無がわかる
個人信用情報を調査すると住宅ローンを申し込んだ人が他に借金があるのかないのか、ある場合にはその借金残高を銀行は知ることができます。
銀行の住宅ローンの審査においては住宅ローンを申し込みした場合の本人の申告ではなく、個人信用情報のデータをもとに行われます。
個人信用情報の調査により住宅ローン以外の他の借金の有無がわかる
個人信用情報の調査によりどこから借金があるかがわかる
借金の有無だけではなく個人信用情報の調査によりどこから借金があるのかもわかります。
銀行からカードローンなどの借金があるのか、カード会社から借金があるのか、消費者金融から借金があるのかなどもすべて個人信用情報の調査によりわかります。
個人信用情報の調査によりどこから借金があるのかもわかる
個人信用情報で借金の返済状況がわかる
住宅ローンの審査における個人信用情報の調査では他の借金の有無の確認だけではなく、借金がある場合のその返済状況もわかります。
きちんと返済をしているか、延滞をしていないかが個人信用情報の調査によりわかります。
個人信用情報とクレジットカードとの関係
ではクレジットカードに関係することですが、クレジットカードに関する情報も個人信用情報には登録がされています。
クレジットカードの支払状況
個人信用情報にはクレジットカードの毎回の支払状況が登録されています。
個人信用情報に登録されているクレジットカードの支払状況とは毎回の支払日にきちんと支払いをしているか、それとも支払いがされていないかという内容です。
簡単に言えば支払日にきちんと支払いをしていれば〇、支払日に支払をしてなければ×です。
仮に支払日の翌日に支払をした場合には×として個人信用情報に登録されます。
個人信用情報の調査によりクレジットカードをきちんと支払日に支払をしているかどうかがわかる
クレジットカードの支払状況は直近2年間分が登録されている
このクレジットカードを支払日にきちんと支払いをしているかどうかの情報ですが、これは個人信用情報に直近2年分が登録されています。
仮に毎月クレジットカードを利用しているとすると、24ヶ月分の支払状況が個人信用情報に登録がされていることになります。
クレジットカードの毎回の支払状況は直近2年分が登録されている
クレジットカードのリボ払いや分割払いの有無
個人信用情報によりクレジットカードの毎月の支払状況だけではなくリボ払いや分割払いを利用しているかどうかもわかります。
ちなみにクレジットカードのリボ払いや分割払いは借金として住宅ローンの審査では考えています。
したがって住宅ローンの審査基準の1つである返済比率にクレジットカードのリボ払いや分割払いの利用は影響してきます。
個人信用情報の調査によりリボ払いや分割払いの利用有無がわかる
クレジットカードのキャッシング利用状況がわかる
クレジットカードには付帯サービスとして借金ができる機能、つまりキャッシングが用意されています。
このクレジットカードのキャッシングを利用しているかどうかも個人信用情報の調査によりわかります。
さらにキャッシングには一般的にキャッシング枠という利用限度額が設定されています。
個人信用情報の調査によりキャッシング枠がいくら設定されているかもわかります。
個人信用情報の調査によりキャッシングの利用有無とキャッシング枠の水準がわかる
キャッシング枠の注意点
クレジットカードのキャッシング枠は注意が必要な点があります。
それはキャッシングを実際には利用していないとしてもキャッシング枠全額を利用しているものとして住宅ローンの審査では取り扱いがされるということです。
これはキャッシング枠まではいつでもキャッシングを利用することができるため、住宅ローンの審査では保守的にキャッシング枠全額を利用しているものとして取り扱いがされるのです。
したがってさきほどの同様に住宅ローンの審査基準の1つである返済比率を悪化させる原因となります。
住宅ローンの審査ではキャッシング枠全額の利用があるものとして取り扱いがされる
クレジットカードの延滞があっても住宅ローンの審査が通るケース
それではクレジットカードの支払に延滞がある場合でも住宅ローンの審査が通るケースを説明します。
延滞の回数が1回だけである場合
さきほどクレジットカードの支払状況は直近2年分が個人信用情報に登録されていると説明をしました。
この直近2年間の間に支払が延滞した回数が1回だけであれば、住宅ローンの審査には通る可能性があります。
直近2年間で延滞が1回だけであれば「預金口座に入金することをたまたま忘れた」と考えることができるからです。
延滞の回数が3回、4回以上となると「預金口座に入金することをたまたま忘れた」とはもう考えることはできません。
クレジットカードの支払の延滞が3回、4回以上となると住宅ローンの審査には通りません。
クレジットカードの支払の延滞回数が1回だけであれば住宅ローンの審査に通る可能性がある
延滞期間は3ヶ月未満であること
クレジットカードの支払の延滞期間が3ヶ月以上であると個人信用情報に延滞情報として登録されます。
個人信用情報の延滞情報とはいわゆるブラックリストです。
そのため延滞期間が3ヶ月以上であると例え1回だけであっても一発で住宅ローンの審査には通りません。
3ヶ月以上の延滞が解消してから5年が経過している
さきほど3ヶ月以上の延滞は個人信用情報に延滞情報、つまりブラックリストとして登録がされてしまい、一発で住宅ローンの審査には通らないと説明をしました。
ただこの延滞情報は延滞が解消してから5年が経過すると自動的に延滞情報は削除されます。
延滞情報が削除されるということはブラックリストから消えるということです。
したがって過去にクレジットカードの支払が3ヶ月以上延滞したことがあってもきちんと支払いをしてから5年が経過していれば住宅ローンの審査に通る可能性があります。
延滞解消してから5年が経過すれば住宅ローンの審査に通る可能性がある
クレジットカードの支払遅滞でも住宅ローンの審査通過は可能?のまとめ
以上、クレジットカードの支払が延滞したことがあっても住宅ローンが通る可能性があることについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・クレジットカードの支払の延滞が3ヶ月以上であれば住宅ローンの審査には通らない
・ただし延滞が解消してから5年が経過すれば住宅ローンの審査に通る可能性がある