借入負担の大きい運送業向けの運転資金融資


2013年10月16日

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My Messy Moleskine借入負担の大きい運送業
A社は、首都圏にある一般トラック運送業者で、固定荷主を顧客に持っています。
近県にトラック基地兼物流センターを自社で保有し、荷主の需要に対応する体制を整えています。
業歴は40年以上を有しますが、近年は景気低迷の影響から、荷主の運賃価格値下げ要請や新規業者の参入による競争激化で、年々利益率は低下しています。
一方で、排ガス規制対応による車両の買い替えや、物流センター設置等の設備投資負担が重く、借入金も直近期では年商の70%弱と水準が高くなっています。
当行はA社の設立以来の主力金融機関であり融資シェアも高く、私も日頃から気になっていた取引先でしたが、やはり運転資金として50百万円の申し出がありました。

融資の申し出があった時、当行は圧倒的主力金融機関であり「これは支援しないとA社はもしかしたら破綻するかもしれない」というのが私の最初の直感でした。
ただ「主力金融機関だから」というのは確かに融資理由の1つにはなりますが、これだけでは行内の審査を通すことは出来ません。
融資業務でもっとも重要なことは「貸した金がきちんと返ってくる」ということです。
返済可能性があるということを検証し、説明する必要があるのです。

ではどのようにして返済可能性があることを説明するのか?
それにはまず、A社の現況をきちんと把握することから始めなければなりません。
現況を融資担当としてきちんと把握し問題点を認識した上でなければ、稟議書で説得力のある説明が出来ないのです。
A社の現況をまとめてみると、
・景気低迷の影響を受け、全体の需要が減少している
・荷主からの要請や競争激化により、運賃価格の低下を余儀なくされており、収益力が低している
・物流センター等の設備投資負担が重く、借入金残高の水準が高いこと
・長い業歴を有し、固定顧客を確保しているため、営業基盤は確立されていること 
の4点に要約できます。

最後の4点めは良いとしてもその他の3点はいずれもA社にとってはマイナス面ばかりです。
さらに資金繰り状況を聴取してみると、経常収支(営業収入-営業支出)にほとんど余力はなく、月によっては経常赤字の資金繰り状況であることが判明しました。
借入金の返済は、経常収支の余力があってはじめて可能となります。
手元に現預金があれば、それを取り崩すことにより返済は可能ですが、経常赤字の状態が続けば、いずれ手元資金も底をつき、返済が不可能となります。

つまりA社の資金繰り状況は、経常収支から現在の借入金を返済する余力はほとんどなく、手元資金の取崩しにより返済を履行している状態であること、手元資金の水準も低下してきており、このままで行けば2ヶ月後には手元資金も底をつき、資金繰りが破綻する状態であったのです。
このままでは返済可能性があることを説明することは出来ません。

融資判断のポイント
返済可能性があることをどのようにして説明するか、ここが今回の融資で私がもっとも苦心した点です。
A社の現況ではとても返済可能性があることを説明することは出来ないわけですから・・・。

私が着目した点は、長い業歴を有し固定顧客もあることから営業基盤は確立されているものの、一方で長い業歴ゆえに色々と無駄な面があるにちがいないこと、その無駄の見直しを行えば、収支の改善は可能ではないかという点です。
つまり私としては、
・A社の現況は厳しいもののコスト削減の余地があること
・今後の改善により収支が好転し、返済能力が向上する見込みがあること
・経営改善の中で必要な資金は主力金融機関として支援を行うべきであること
を稟議の柱にして融資を組み立てることを考えたわけです。

そこでさっそく私はA社の社長と面談し、無駄の排除を含めて経営改善につき話を伺いました。
幸いにも私が指摘するまでもなく、A社の社長自身も長い事業歴の中でいろいろと無駄や弊害があること、頭の中では改善に向けた整理をしなければならないことを日頃から考えていたこと、などの話を伺うことが出来ました。
私からは主力金融機関としても、このままでは昔のように簡単には融資による資金繰り支援は困難になる可能性があること、そうならないためにもまずはA社自身の自助努力が必要であることを説明しました。
A社の社長から「そろそろ本格的に考えないといけない時期に来ているかもしれない」との認識を引き出すことができ、具体的に実現可能な改善計画の策定をお願いしました。

数日後、A社の社長から経営改善計画書の提出があり、具体的な項目と数字の説明を受けました。
A社から提出を受けた経営改善計画書は決して実現不可能な内容ではなく、総じて改善可能性が見出せる内容でした。
この経営改善計画を基にして、今後の資金繰り改善余地の具体的な金額を算出し、返済能力の向上、つまり返済可能性が見出せることを説明したわけです。

さらに私の融資稟議に追い風となったのが、A社からの不動産担保提供の意思表示でした。
どれだけ実現可能性のある経営改善計画を策定しても、それが必ず計画通りに達成されることは誰にもわかりません。
計画が途中で頓挫してしまうこともあるわけです。
経営改善計画だけに頼っていては私の返済可能性の主張は崩れてしまいます。

それを補強するのが不動産担保の徴求です。
つまり経営改善が計画通りに進捗しない場合でも、最終的に融資は不動産担保にて保全されるということです。
万が一の場合の融資の回収策もあることを示すことが出来るわけです。

以上まとめると、
・資金繰りは厳しいものの、今後の経営改善計画の進行により改善の期待があること
・当行は主力金融機関であり、当社の事業継続を支援する一定の責任があること
・不動産担保により保全が確保出来ること
から今回の融資には応じることが妥当だと考えたわけです。






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