在庫が多い化粧品メーカーからの運転資金融資相談

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中小規模の化粧品メーカーがあります。
過去から生き残りをかけて随時新商品を開発・販売しています。
当行はメインではないものの、主要な取引銀行の1つとして長らく取引があります。
このような融資先より新たな運転資金の融資相談を受けました。

この融資先に対しては過去より1つの疑問点がありました。
それは在庫です。
在庫の量は平均月商の2ヶ月分ですから決して過多とは言えません。
在庫として計上されている金額はおよそ4億円です。
一方で自己資本、つまり資本金に設立以来の利益の蓄積(もしくは損失)を加えたものは50百万円程度です。
新商品の開発を続けてきて今に至っている融資先ですから、一般的には売れ残りの在庫があると考えるのが自然です。
しかしこのことを融資先に確認をしても、「大丈夫です。おかげさまで新商品は全て順調に販売がされており、不良化しているような在庫はありません」との回答が続いています。
これが事実であれば問題はないどころかすばらしいことだと思います。





ただ銀行の融資判断は保守的に行うのが原則です。
開発した新商品がすべて売れるというのはにわかに信じることは出来ません。
一定の売れ残りがあるのがやはり自然です。
この会社の在庫量は先ほど約4億円と記載しました。
もし在庫のうち2割が売れ残りでもう正規の価格では販売出来ないとなると、4億円の2割、つまり80百万円の隠れ損失をこの会社は抱えていることになります。
さきほど自己資本が50百万円と言いましたら、50百万円から80百万円を差し引けばマイナス30百万円となります。
つまりこの会社は実態は債務超過の疑念があるわけです。
債務超過というのは資産よりも負債の方が多いということです。
負債の方が多い債務超過の状態は銀行融資の面から言うと、返済能力が極めて弱い先への融資ということですから原則は回避したいところです。

結論的には現在、この会社に実施している融資の年間返済額相当を追加で融資することになりました。
融資先からはもっと多い金額の融資の期待が寄せられましたが、在庫の実態に疑念が残る状態ではこれが限度の融資判断です。





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