銀行が不動産担保について銀行独自で評価額を算出しています。
銀行の不動産担保の評価額とはどのようなものなのか、また評価額の変更により融資にどのような影響が出るのかを説明します。
目次
不動産担保の評価額に関する質問
銀行から借入しており不動産を担保として入れています。
先日、銀行の担当者から不動産担保の評価額が下がったため融資は担保割れになっていると言われました。
担保割れとはどういう意味でしょうか?
何かうちの会社の業績が良くないので不動産担保の評価額を下げたような気がします。
実際に銀行は相手の会社の業績内容によって不動産担保の評価額を下げたり上げたりすることがあるのでしょうか。
銀行の不動産担保の評価方法
銀行が不動産担保の評価額を算出する際には、土地の公示価格や基準値、最近の実際の売買事例を参考にして決定をしています。
評価額は客観的なものであり融資先の業績や取引内容などは当然ながら無関係です。
したがって質問にあるような業績が良くないので不動産担保の評価額を下げるというようなことはありません。
不動産担保の評価額は市場の価格を参考にして銀行が算定をしている。融資先の業績等は関係がない。
不動担保の評価額は定期的に見直しをしている
不動産担保の評価額は一度算定したらそれで終わりではありません。
不動産担保の評価額の基礎となる不動産の価格は日々変動をしています。
そのため一定期間ごとに銀行では不動産担保の評価額の見直しをしています。
世の中の不動産価格の実情に合わせて不動産担保の評価額を洗い替えしているのです。
不動産担保の評価額は一度切りではなく定期的に見直しをしている
担保割れとは
例えば融資先に不動産担保を設定して3,000万円の融資をしているとします。
不動産担保の評価額はそれまでは3,100万円でした。
したがって3,000万円の融資は不動産担保にてすべてカバーされています。
そしてその後、不動産担保の評価額の見直しを行った結果、不動産担保の評価額は2,500万円となりました。
3,000万円の融資に対して不動産担保が2,500万円ですから差額の500万円は不動産担保にてカバーされていない状態です。
このように不動産担保にて融資の全部がカバーされていないことを担保割れと呼んでいます。
不動産担保の評価額よりも融資額が多い状態を担保割れと呼んでいる
担保割れに対する銀行の対応
不動産担保の評価額の見直しにより担保割れとなっても、銀行が直ちに不足分の担保を追加で入れるように要請するといったことはありません。
不動産担保の評価額は変動するものであり、評価額の変動により担保割れとなったからといってそれは融資先の責任でも何でもないからです。
不動産担保が担保割れとなったからといって銀行が追加担保を求めることは原則としてない
追加融資は困難になることも
ただし融資先の業績が悪いといった状況においては担保割れは銀行としても問題視しています。
担保割れはいざという時には貸倒れという損失が銀行に発生するということですから、融資先の状況によっては安易には考えられません。
したがって担保割れの状況で追加融資の要請を受けても、銀行は担保割れを理由に融資を断るといったことはあり得ます。
たしかに不動産担保の評価額の変化は市場の不動産価格の変化によるものであり、融資先の責任ではありません。
しかし担保割れという事実は現実のものであり、万が一の場合には銀行は損失を被る可能性がある状態です。
銀行としても現実的な対応を取らざるを得ません。
不動産担保の担保割れを理由に銀行が追加融資を断ることはありうる
不動産担保の評価額についてのまとめ
以上、銀行の不動産担保の評価額についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・客観的に不動産価格に基づき不動産担保の評価額を算出しており、融資先の業績や取引内容は無関係
・不動産担保の評価額は不動産価格の変化を反映するために定期的に見直しをしている
・担保割れとは融資額より不動産担保の評価額が低い状態
・担保割れの状態では追加融資を銀行が断ることも考えられる