つなぎ融資という銀行融資の形態があります。
つなぎ融資とは文字通り一時的に資金繰りをつなぐ融資ですが、よく建設業向けの運転資金融資などで用いられます。
つなぎ融資の審査内容について説明をします。
目次
つなぎ融資とは
来月末には売上代金が入ってくる、3ヶ月後には受注した建築案件の代金が入ってくる。
売上代金が入ってくれば、建築代金が入ってくれば資金繰りは安定するがそれまでの間の資金繰りが苦しい。
このような資金繰り事情はしばしばあります。
代金が入金するまでの資金繰りをつなぐための短期間の融資がつなぎ融資です。
つなぎ融資の特徴
つなぎ融資の特徴
・返済日は代金の入金日
つなぎ融資は代金入金までの資金繰りのつなぎですから一般的には短期間の融資となります。
そのためつなぎ融資には手形貸付の融資形態が用いられます。
そして返済日は売上代金や建築代金の入金日です。
つなぎ融資はそもそも売上代金や建築代金の入金までの資金繰りのつなぎですから、つなぎ融資の返済期日は代金の入金日となります。
つなぎ融資の審査内容
それではつなぎ融資の審査内容とはどのようなものかを説明します。
つなぎ融資の審査ポイント
2.支払者の信用力
3.融資先のその後の資金繰り状況
4.万が一、代金が入金とならなかった場合の返済能力
販売や建築案件の契約内容確認
まずは販売や建築案件の契約内容の確認です。
売上代金や建築代金の金額がいくらなのかを把握するとともに、代金の支払日がいつなのかを契約書類で確認します。
この契約書類がないとつなぎ融資の審査には通りません。
そしてつなぎ融資の金額は販売や建築に関わるコストの範囲に限定されます。
つなぎ融資の対象は販売や建築に関わる原価や経費としています。
したがって契約書類の他に原価や経費がいくらかかるのかの説明が必要となります。
支払者の信用力
次は支払者、つまり販売先や建築案件の発注者の信用力の調査です。
信用力が乏しければ代金の支払い能力が疑われます。
つなぎ融資の返済原資や売上代金や建築代金ですから、それらを支払う側の信用力は重要です。
いろいろな手段で銀行は支払者の信用力を審査します。
融資先のその後の資金繰り状況
繰り返しですがつなぎ融資は代金回収までの資金繰りをつなぐことが目的です。
代金が回収されれば当面の資金繰りが安定することが不可欠です。
代金を回収したものの、すぐに資金繰りが不安定になるようではそもそも銀行はつなぎ融資に限らず融資には慎重となります。
したがって代金回収後の資金繰り状況がわかる資金繰り表の作成が望まれます。
万が一、代金が入金とならなかった場合の返済能力
そして万が一、代金が入金とならなかった、つまりつなぎ融資が返済されなかった場合につなぎ融資を返済できるどうかの審査です。
一括返済は無理だとしても、分割返済であれば返済は可能なのか、保全となる担保はあるのかどうかなどが審査されます。
つなぎ融資の審査内容のまとめ
以上、つなぎ融資の審査についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・契約書類などで代金の金額や回収日が確認される
・代金を支払う支払者の信用力に問題がないかどうかの審査
・つなぎ融資後の融資先の資金繰りの安定度合いの審査
・万が一、代金が回収されない場合の返済能力や担保などの保全面の審査