中小企業や個人事業主の方から決算書をもらう時に「わざと赤字にした」という説明を聞くことが少なくありません。
税金の支払いを少なくするためにわざと赤字にしたということですが、本当にそうなのでしょうか?
「わざと赤字にした」に対する銀行の受け止め方を説明します。
わざと赤字にした
中小企業や個人事業主から決算書や確定申告書をもらう際に、時々「本当は黒字なんだけどわざと赤字にしたよ」という説明を受けることがあります。
中小企業や個人事業主は日々売上を獲得したり利益を獲得したりするために懸命に業務に打ち込んだいらっしゃいます。
そして売上や利益の獲得の同程度で、申告時に払う税金を可能な限り安くしたいという思いも強く持っています。
そのために現実問題として多くの中小企業や個人事業主はいわゆる節税対策をいろいろとやっています。
このこと自体は否定するつもりはありません。
そして決算書や確定申告書をもらう時に税金を払いたくないから「わざと赤字にしたよ」という説明にしばしば遭遇するのです。
銀行の受け止め方
わざと赤字にしたという説明を受けて、銀行は本当は黒字だけで税金対策で赤字にしたのはやむを得ないと考えるのでしょうか?
実際はわざとであろうとなかろうと赤字であれば事業が赤字であったと銀行は考えます。
わざと赤字にしたという説明を銀行は聞きません。
わざと赤字にしたのかどうかわからない
確かに本当は黒字であるにも関わらず税金対策からわざと赤字にしたのかもしれません。
しかし第三者である銀行には本当にわざと赤字にしたのかどうか、その真偽はわかりません。
銀行は提出を受けた決算書や確定申告書がわざと赤字であっても、事業そのものが赤字であったとして受け止めます。
融資審査は客観的な資料で
特に融資審査においてはわざと赤字にしたかどうかは考慮をまったくしません。
融資審査時にはあくまでも客観的な資料をもとに、その資料が正しいものとして融資可否を判断することとなります。
銀行から業績がわかる客観的に資料とは決算書や確定申告書のことです。
この決算書や確定申告書が赤字であれば、赤字だとして融資審査を行うのです。
わざと赤字にしたかどうかは銀行には関係ありません。
あくまでも赤字決算として融資審査を行うことになります。
そのために赤字決算のため融資をお断りするという判断も当然にあるわけです。
わざと赤字にしたのであって本当は黒字だから大丈夫だろうなどと銀行は融資審査時には考えません。
わざと赤字にしたことの影響
わざと赤字にして税金を払わなくても良くなったかもしれません。
しかし資金繰りが悪化し銀行から融資を受けることが必要となっても、さきほどもご案内をしたようにわざと赤字にしたという理屈は通りませんん。
赤字決算のため融資が受けられず資金繰り確保に困窮する事態も想定されます。