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銀行融資の基本

銀行の融資審査の期間

事業資金の融資を3日前に銀行に申込をしても間に合うことはないと考えてください。
銀行の融資審査の期間は余裕をみて1ヶ月は見ておいたほうが無難です。

ある個人事業主の飲食業の事例

ある日、飲食店を営む個人事業主の方が銀行を訪れて融資相談を受けました。
売上が低調であり資金繰りが苦しいために500万円ほどの運転資金の融資相談でした。
私が今後の申し込みの手順などを説明し、融資が可能だとして融資の実行までに要する時間は1ヶ月から1ヶ月半ほどは見てほしい旨を説明しました。
それに対してこの個人事業主は、
「そんなに時間がかかるのですか?」
「今日とか明日とかに融資は受けられないのですか?」
「世の中には即日の融資だってたくさんあるじゃないですか」
と強く不満を述べられました。
確かに即日とか翌日、遅くとも1週間程度で融資が可能だと宣伝している金融業の会社はあります。
しかし即日とか翌日融資というのは、銀行とは融資の仕組みが大きく違います。
即日とか翌日の融資は前提として一定の貸倒が発生することを織り込んでいます。
そのため金利も二桁など高い設定となっています。

銀行の事業資金融資は全額回収されることを前提

一方で銀行が行う事業資金融資は事業者がきちんと融資の全額を返済できることを審査の前提としています。
何割からは返済できないだろうとは初めから考えてはいません。
すべての事業者がきちんと融資の返済ができるだろう、言い方を変えればきちんと最後まで返済ができるだろうと見込まれる事業者に限定をして融資をしています。

銀行の融資審査手順

融資審査の流れ
この図は銀行で行われている事業資金の融資審査の手順や流れを示したものです。
銀行の事業資金の融資審査のポイントは「貸したお金が返ってくるかどうか」です。
つまり融資先の返済能力を徹底的に審査をしているのです。
少なくとも融資審査時点では返済ができないかもしれないとは考えてはいません。
特に今回の個人事業主のように初めての顧客については、銀行はその顧客について何ら事前知識がありません。
そのため初めての顧客に対しては特に念入りの融資審査が行われます。
そのため最短でも1ヶ月は融資申込から融資実行まで期間を要するのが現実です。
すでに融資取引がある顧客の場合でも融資事務手続きを考えれば即日とか翌日の融資は到底無理です。
最短でも1週間の期間を要します。

短期間の融資要請は謝絶

融資審査の期間を考えた場合、それ以前の短期間での融資要請に銀行は対応することができません。
その場合に銀行はどうするのかと言いますと、融資をお断りすることになります。
もちろん顧客の希望に対応して可能な範囲で急いで対応を行い、融資審査の期間を短くしようとする努力は行います。
しかし明らかに融資審査の期間には間に合わない融資相談はお断りせざるを得ないのです。
仮に融資が可能と考えられる場合でもあっても期間が間に合わないと考えられる場合には銀行はその融資相談をお断りします。

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