中小企業や個人事業主が銀行から融資を受ける際、その多くは信用保証協会の保証制度を利用したものとなります。
信用保証協会の保証制度を利用するには信用保証協会に信用保証料の支払いが必要です。
今回は信用保証料の決まり方とその計算方法について説明をします。
目次
信用保証料の決まり方
信用保証料が決まる要素には次のものがあります。
信用保証料が決まる要素
・期間
・料率区分
・分割係数
金額や期間は説明するまでもないと思いますので、料率区分と分割係数について補足をします。
料率区分とは
料率区分ですが、現在の料率区分は全部で9区分あります。
これは信用保証協会の1つである東京信用保証協会の保証料率の抜粋です。
表の上部に料率区分と表記があり、1~9までの料率区分に分かれていることがおわかりいただけると思います。
そしてこの料率区分が分かれる理由は何かというと、それは簡単に言えば事業者の業績です。
業績が良好で信用力が高いと認められる事業者には料率区分が8とか9などの低い保証料率が適用されます。
一方で業績に苦しんでおり信用力が脆弱だと考えられる事業者には料率区分が1とか2などの高い保証料率が適用されます。
つまり料率区分とは、
事業者の業績等の信用力に応じて決まる信用保証協会の金利区分
です。
分割係数とは
信用保証料は信用保証協会の保証している残高、つまり銀行等からの融資残高に対して発生します。
融資の返済方法が期日一括返済の場合には融資を受けている途中で融資残高が減少することはなくずっと一定残高です。
一方で融資の返済方法が分割返済の場合には返済が進んでいくにつれて融資残高も減少をしていきます。
この融資残高が減少していくことを勘案したものが分割係数ということになります。
信用保証料の具体例
では実際に信用保証料がいくらになるのかを例にて見ていきます。
信用保証料の計算式
最初に信用保証料の計算式を示します。
信用保証料の計算式は次の通りです。
信用保証料の計算式
金額1,000万円・期間1年・期日一括返済・信用保証料率0.80%の場合
期限一括返済方式の場合には途中で金額が減少することはありませんので、分割係数は1です。
したがって信用保証料は次の通りとなります。
信用保証料の具体例
金額1,000万円・期間5年・毎月の分割返済・信用保証料率1.10%の場合
分割返済の場合には分割係数によって途中の残高減少が勘案されます。
期間5年の分割係数は0.55です(上記分割係数表をご参照)。
信用保証料は次の通りとなります。
信用保証料の具体例
信用保証料の支払方法
信用保証料の支払方法は原則として全部の一括支払となります。
ただし信用保証協会の申し込み時に分割支払いも同時に申し込みを行えば、分割支払も可能です。
なお信用保証料の支払いは直接信用保証協会に支払うのではなく銀行経由にて支払うことになります。
信用保証協会の保証料と計算方法のまとめ
以上、信用保証協会の保証料と計算方法についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・信用保証料は金額・期間・保証料率・分割係数の4つの要素で決まる
・保証料率は事業者の業績等の良悪によって9つに区分されている
・信用保証料の計算式は保証金額(融資金額)×信用保証料率×保証期間(融資期間・月単位)÷12×分割係数