ある20代男性からの相談事項です。
まずはこの男性の現在の借金の明細は次のとおりです。
カードローンとクレジットカードで合計3,500千円の借金があります。
毎月の借金返済額は75千円です。
では借金が返せるのかどうか、次の収支を見てみましょう。
③の収入390千円から生活に関わる支出⑱307千円を差し引いた残りは⑲の83千円です。
これに対して借金返済額合計は㉒の75千円で、8千円のおつりがでています。
つまり次のような関係にあります。
つまり借金が返済出来るということです。
借金返済の進め方
借金の返済額が収入から生活に関わる支出を除いた残りの生活収支の範囲内に収まっていますから、理論上は返済が可能です。
しかし余裕額がわずか8千円です。
風邪を引いた治療費やつきあいが重なり支出が膨らむということもあるでしょう。
余裕が8千円というのはやはり心もとないでしょう。
突発的な出費のために再び新たな借金をせざるを得ないという可能性もあります。
そうならないように生活費を見直すとともに借金返済の進め方に工夫をしてみましょう。
そもそも借金の返済額は借金の件数に応じて増えていきます。
返済額が多い方が借金の返済が早く進むことは確かですが、返済額が大きいためにぎりぎりの生活を行い、突発的な出費のために新たな借金を作ってしまっては元も子もありません。
この20代男性の場合にはまさにぎりぎりの状態ですから、まずは借金の返済にゆとりをもたせ突発的な出費にも借金に頼ることなく自力で対応できる状態にすることが大切です。
借金の返済にゆとりをもたせる、つまり借金の返済額を減らすことが現時点では大切です。
この20代男性の場合、借金はカードローン1社とクレジットカードが2社です。
カードローンというのは利用可能額までは繰り返し利用出来ます。
クレジットカードの利用残高は1,200千円と700千円です。
したがって700千円のクレジットカードの完済をまずは行い、借金の件数を減らして毎月の返済額を少なくしたいところです。
現在もしくは将来、カードローンの追加可能額が700千円となれば、そのカードローンを利用して700千円のクレジットカードを完済しましょう。
せっかくカードローンを返済してきたのに、また残高が増えるではないかと思われるかもしれませんが、700千円のクレジットカードの返済に充当しますから借金の総額は変わりません。
そして700千円のクレジットカードを完済すれば、今までそのクレジットカードの返済に充てていた20千円がなくなります。
今までの8千円の余裕額が28千円に増えます。
新たな借金を作らない状況にする
この20代男性の場合には何とか借金が返済出来る状況にあります。
気を付けなければいけないことは新たな借金を作らないことです。
そうするためには突発的な出費に対応出来るようにお金の収支を改善することです。
ココがポイント
今回ご紹介したカードローンを利用してクレジットカードを返済する方法は、当面の借金返済額を少なくしてお金の収支に余裕を持たせて新たな借金を作らないために行うものです。
ぎりぎりの状態で無理をして借金の返済を続けても、突発的な要因などであっという間に借金が再び増えてしまいます。
そうならないように当面は借金の件数を減らして返済額を少なくすることが借金完済に向けた着実な道なのです。