住宅ローンの審査基準はいろいろとありますが、中でも審査のウェイトが高いのが「返済比率」と呼ばれる審査基準です。
「返済比率」とはどのような審査基準なのかを説明します。
返済比率とは
では返済比率とは何でしょうか。
返済比率とはずばり収入に対する返済額の割合のことです。
例えば年収が500万円だとします。
これに対して年間に返済している金額が100万円の場合、返済比率は100万円÷500万円、つまり20%ということになります。
これが返済比率です。
返済金額には他のローンも含まれる
さきほどと同じで年収が500万円だとして、住宅ローンの年間返済額が100万円だとします。
しかし他にローンが既にあり、この住宅ローン以外のローンやキャッシングなどの年間返済額が100万円あるとします。
そうした場合、年間の返済額は住宅ローンの100万円と他のローンやキャッシングなどの100万円の合計200万円となります。
このケースの場合の返済比率は200万円÷500万円、つまり40%ということになります。
返済額の中には利息も含まれる
ところで返済額に含まれるものはローンの元金だけではありません。
利息も含まれます。
利息は金利によって金額が異なってきますが、仮に住宅ローンの金利が1%であっても返済比率の計算において使用する金利はこの1%ではありません。
1つだけ例外がありますが、それは住宅ローンの金利が全期間固定金利の場合です。
全期間固定金利のケースでは途中で金利が変わるということはありませんから、この固定金利を基に利息額が計算されます。
全期間固定金利以外の場合は途中で金利が変わる可能性があります。
したがって途中で金利が変わる可能性も考慮して返済比率の計算で使用される金利は実際に適用される1%ではありません。
一般的には金利を4%~5%として利息を計算して返済比率を計算しています。
返済比率の審査基準
では住宅ローンの審査で使われている返済比率は実際にはどのような水準でしょうか。
銀行によって返済比率の審査基準は多少異なりますが、一般的には次のような水準です。
年収250万円未満→25%以下
年収250万円以上400万円未満→30%以下
年収400万円以上→35%以下
年収が500万円の場合の返済比率の審査基準は35%以下です。
返済比率が35%以下であれば審査はOkとなり、返済比率が35%超の場合には審査は否決となります。
よく住宅ローン以外にカードローンなどの他の借金があるために住宅ローンの利用金額が減額となったということを聞かれると思いますが、その原因は返済比率の審査基準です。
住宅ローン以外の他のローンがあると住宅ローンが希望通りに通らなくなるというのはこの返済比率の審査基準が原因です。