売上減少などで資金繰りが苦しくなった時に融資の返済の見直し、つまり返済条件変更(リスケ)を銀行に相談することができます。
返済条件変更(リスケ)により返済額が少なくなればそれだけ資金繰りは楽になります。
しかし返済条件変更(リスケ)には一定のデメリットもあります。
返済条件変更(リスケ)のデメリットとは
返済条件変更(リスケ)は融資の返済負担を軽減して資金繰りを維持するために有効な手段ですが、一定のデメリットがあります。
新規融資が受けられないこと
返済条件変更(リスケ)を行うとその期間中及び返済を元に戻したのち一定の期間は新規融資が受けられません。
返済条件変更(リスケ)はそもそも資金繰りが悪化し返済が苦しくなったために行うものです。
銀行としては融資は返済されることを前提にして、融資が返済できると考えて行っています。
この点において返済条件変更(リスケ)はその融資の返済が難しい状況であることを示すものです。
融資の返済が難しい状況であれば銀行としては新規融資を行う判断はできません。
半永久的に新規融資は無理なのか?
返済条件変更(リスケ)を一度行えば二度と新規融資が受けられないということではありません。
しかしハードルは低くはありません。
融資を行っても返済が可能だという状況になることが必要です。
そのためには返済条件変更(リスケ)前に返済額を戻して、さらに半年から1年間、遅れることなく返済を行った実績の積み上げが必要です。
この条件がクリアになった後に足元の業績などを勘案して新規の融資を行うかどうかを銀行が判断することになります。
金利が上がる
融資の金利には貸倒に対する対価という意味合いがあります。
返済条件変更(リスケ)を行うという事態は客観的に考えて融資の返済が苦しい状態だということです。
融資の返済が苦しいということは貸倒の危険が高まっていることです。
そのために貸倒に対する対価という意味合いがある金利が上がる理由になるのです。
ただしどれくらい金利は上がるかについて決まっていることは1つもありません。
あくまでも銀行との話し合いになります。
よくある事例としては現在の金利に優遇がつけられている場合にはその優遇がなくなることからその分だけ金利が上がるというケースです。
手数料の優遇がなくなる可能性
これは融資とは直接は関係のないことですが、振込手数料の優遇など各種手数料の優遇を受けている場合にはその優遇がなくなる可能性があります。
まとめ
返済条件変更(リスケ)は資金繰りを助ける有効な方法ですが、一方で新規融資が受けられない、金利や手数料が上がるなどの一定のデメリットもあります。
この中で最も大きなデメリットは新規融資が受けられないということです。
返済条件変更(リスケ)を行ってもその後の業績改善が計画通りに行かず、資金繰りに窮する事態になっても融資による資金繰り支援が受けられません。
したがって返済条件変更(リスケ)を行う際には銀行と今後の業績改善の計画や資金繰りの見通しなどをしっかりと相談して、新規融資がなくても資金繰りに支障がないような状態にすることがとても重要なこととなります。
銀行も返済条件変更(リスケ)に対しては弾力的な対応を取ってくれますから腹を割ってしっかりと銀行と相談をしてください。