複数の借金がある場合、どの借金から先に返そうかと考えることがあると思います。
複数の借金があって、手元資金で一定金額で返済する場合にどの借金を返すのが良いのか、その考え方を説明します。
借金明細
借金返済の考え方を説明にするにあたり上の図の例をもとにして行っていきます。
現在消費者金融3社から借金があり、それぞれの残高や金利、毎月の返済額は図のとおりです。
この状態で今回50万円という金額で返済する場合です。
何を基準に考えるか
さて現在の借金総額は110万円ですから3社の借金をすべて返済するには不足をしています。
3社のうち返済はどれにするかが迷うところですね。
金利が高いところは正しいのか
まず真っ先に思い浮かぶのが「金利が高いところ」を返済するではないでしょうか。
この考え方自体は間違ってはいません。
金利が高いということはそれだけ高い利息を払っていることですから、もったいですね。
利息を節約する考え方として「金利が高いところ」を優先して返済する考え方は間違ってはいません。
図の3社の消費者金融のうち最も金利が高いのは消費者金融C社です。
消費者金融C社からの借金は30万円ですから今回の50万円の資金によるすべて返済することが出来ます。
残りは20万円がまだ手元にありますから次に金利が高いところの消費者金融A社に20万円を返済します。
消費者金融A社には50万円の借金がありますから全部を返済することは出来ませんが、残りは30万円に少なくすることが出来ます。
利息は借金の元金に対してかかってきますから消費者金融A社からの借金の元金50万円を30万円に少なくすることで利息額も減少することでしょう。
毎月の返済負担を考える
このように金利が高いところを優先して返済する考え方は支払う利息を少なくする方法としては最適な考え方です。
しかし金利以外にもう1つ考えてほしいことがあります。
それは毎月の返済額のことです。
現在は消費者金融3社合計で毎月4万円を返済しています。
さきほどの「金利が高いところ」を優先するという考え方でいきますと消費者金融C社からの借金は全額返済することができます。
消費者金融C社への返済額は毎月1万円でしたから、これがなくなり今後は残った消費者金融A社と消費者金融B社の2社合計で毎月3万円の返済を行っていくということになります。
ところでもし今回の50万円の返済を全額消費者金融A社の借金に回した場合はどうなるでしょうか。
消費者金融A社には毎月2万円の返済を行っていますから、これがなくなります。
ということは今後は毎月の返済額は消費者金融B社と消費者金融C社のそれぞれ1万円の返済を合計した2万円を返済していくことになります。
毎月の返済額が4万円から2万円に少なくなりました。
今後の返済見込みから考えましょう
さて金利が高いところを返済するか、毎月の返済額を考慮して返済する先を決めるかどうかはご自身の今後の返済見通しから考えるようにしましょう。
金利が高いところを返済すると毎月の返済額は3万円になりました。
これでそれほど負担感なく返済ができるのであれば金利が高いところを優先して返済することが正しいです。
一方で毎月3万円の返済負担がまだ重いと感じるのであれば今後の毎月の返済負担を考えて返済先を選びましょう。
毎月の返済額が2万円となるように返済額が最も多い消費者金融A社からの借金を完済する選択が正しいでしょう。
金利が高いところだけに着目して返済をしてもその後の返済負担が重いのであれば、将来再び新たな借金を作ってしまうリスクがあります。
そうなればせっかく支払う利息額を節約したにも関わらず、またもとに戻ってしまう可能性があります。
ご自身の今後の資金繰りから正しく返済先を選びましょう。