銀行融資の審査の中心は会社であればその会社の財務内容等信用力、つまり返済能力の検証が中心ですが、その前に銀行はその会社の属性調査を徹底して行っています。
銀行の融資取引の相手方として適切かどうかを見ているのです。
この融資取引の相手方として適切かどうかを見るうえで実はその会社の株主も影響をしてきます。
銀行融資審査の流れ
この図は銀行で行われている融資審査の全体の流れを示したものです。
株主を含めた融資取引の相手方として適切かどうかの判断は最初の「何をしている会社か?」で調査が行われます。
つまり株主の調査は融資審査の最初の入り口で行われるものであり、ここで問題があれば以降の融資審査は行いません。
つまり融資はしないということです。
株主と銀行融資審査
では具体的に株主と銀行融資審査の関係について説明をします。
株主構成面はその会社を実態的に支配しているのは誰かという点で重視しています。
そして株主が誰が問題になる場合は上場をしていない中小企業などが対象です。
上場企業については銀行は株主がだれかということはそれほど気にはしていません。
中小企業の場合
多くの中小企業はいわゆるオーナー企業です。
オーナーがその中小企業の株式の100%を保有して代表取締役社長を務めているのがよくあるケースです。
このような場合は銀行は融資審査において株主面については気にはしていません。
問題になるのは代表取締役社長ではない人物がその中小企業の大株主である場合です。
オーナー企業が一般的である中小企業においては代表取締役社長以外の人が大株主である事実は異例です。
会社を代表する権限があるのは代表取締役ですが、大株主が別の人であればその会社の実質的な支配者は代表取締役ではなくこの大株主であると考えられます。
その大株主が代表取締役の親族であればそれほど問題にはなりません。
大株主が先代の社長で今の社長の親であることはこれもよくあるケースであり、別に不自然でもありません。
しかし親族ではなくまったくの第三者である場合には代表取締役はあくまでもお飾り的な存在であり、実質的にはその大株主が会社を仕切っていると考えるのが妥当でしょう。
実際とのところ、銀行はこのような状態の会社とは融資取引を行いたくありません。
代表取締役がいてもそれは形式的なものであり、大株主の意向でいつでも代表取締役を交代させることができます。
このような場合にはその大株主と会社との関係を徹底的に調べて、大株主が代表取締役ではなく別の人が代表取締役である合理的な理由がなければ、基本的に銀行は融資を行いません。