融資審査マンの見方 資金繰り

銀行融資審査マニュアル8 他行との取引状況が融資判断に影響する

銀行融資の審査の中心は融資した資金がきちんと返済されるかどうか、つまり融資先の信用力、返済能力の評価になります。
このことと関係して融資先が複数の銀行と融資取引をしている場合にはこれらの他行との取引状況が融資判断に影響を及ぼします。

銀行融資審査の流れ

次の図は銀行での融資審査の流れを示したものです。
融資審査の流れ
6のところに「他行の動向は?」という箇所がありますが、今回のこの部分がテーマです。

他行との取引状況と銀行融資審査

多くの会社は1つの銀行との取引ではなく2つ以上の複数の銀行と取引をしていることが多いです。
このようなケースの場合、複数の銀行がその融資先である会社の資金繰りを支えているという側面があります。
この融資先の業績が堅調でどんどん融資シェアを伸ばしたいと考えられるのであれば良いのですが、業績が不振であるなど慎重な融資判断が必要な時には他の取引銀行の動向が非常に大きな意味を持ってきます。

ある1つの銀行が融資に消極姿勢の場合

業績不振などの理由で資金繰りに余裕がない場合、複数の取引銀行がある意味では共同してその融資先の資金繰りを支えていることになります。
この状態において仮にある1つの銀行が融資に消極的な姿勢、つまり融資に応じないような事態になった場合、状況によってはその融資先の資金繰りに支障が生じる事態が想定されます。
万が一、資金繰りがショートしてしまえばその時点でその融資先は破綻してしまい、融資をしている銀行は融資の貸倒が発生してしまう事態になります。
そのような事態を避けるためには残りの取引銀行が融資に応じない銀行の分も抱え込んで資金繰りを支援する必要が出てきます。
これは他の取引銀行としては避けたいというのが本音です。
もし融資先の業績が回復しない場合には、資金繰りを支えてきた取引銀行の貸倒のボリュームが増加してしまうからです。
このようなことから銀行が他の取引銀行との取引状況、つまり融資動向に神経をとがらせているのです。

主力行の動向には特に注視

複数の取引銀行がある中で、特に主力行の動向は非常に気になるところです。
主力行が融資に慎重な姿勢であることが伺われたり、担保の設定など保全を固めている姿勢が判明した場合には、主力行以外の銀行は新規の融資には慎重になります。
主力行はその他の取引銀行に比べて融資先の信用状態をもっとも詳細に把握していると考えられるからです。
そのような主力行が融資に消極姿勢であったり、既存の融資の回収保全を強化したりすることはその融資先の企業の信用状態が悪化していることを示すからです。

取引銀行に応分の支援を続けてもらうことが大切

融資を受けている会社側としては主力行とは十分な意見交換を行い、良好な関係を継続することが大切なことなのです。
また主力行以外の取引銀行にも良好な取引関係を維持することが大切です。
もしある1つの銀行が融資に消極姿勢であることが原因で、他の取引銀行も融資に消極姿勢になってしまえば、資金繰りを維持することが非常に困難となってしまうからです。

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