銀行融資の基本

赤字決算の場合の銀行借入への影響

決算が赤字となってしまう場合はどんな会社でもあります。
赤字決算となった場合は、銀行借入にどんな影響があるのか、間違った誤解をされている経営者の方もいらっしゃいますので、ここに説明します。

赤字決算の場合の新規銀行借入について

銀行の融資審査でもっとも重要なことは融資した資金がきちんと最後まで返済されるかどうかという点です。
融資した資金がきちんと最後まで返済されるか、回収できるかの判断はいろいろな観点から銀行は行うわけですが、その基本は決算書の数字です。
赤字決算の場合は、基本的には借入が返済できないことを表しています。
赤字決算に対する銀行員の思考は次のとおりです。
銀行員の思考
したがって赤字決算の場合の新規銀行借入は基本的には厳しくなります。
しかしながら銀行は赤字決算だからといって一切新規融資を行わないということもありません。
赤字決算の会社に銀行が新規融資を行う事例はいくらでもあります。

赤字決算の場合の既存借入金への影響

赤字決算の場合、既に借入している銀行借入についての影響については、結構誤解されている経営者がいらっしゃいます。
それは一括で繰上返済を求められるのではないかという点です。
既存の銀行借入金について、きちんと約定どおりに返済しているにもかかわらず、赤字決算だからという理由で銀行が一括繰上返済を求めることは絶対にありません。
私は今まで20年以上銀行融資に携わっていますが、融資先の会社に対して赤字決算だからという理由で一括返済を求めたことは一度もありません。

期限の利益

銀行借入は1つの契約です。
例えば1,000万円を期間5年の60回の分割払いで毎月末に返済する借入を行ったとします。
これは1,000万円を期間5年の60回払いで返済するという会社と銀行との契約です。
借入する側から見れば1,000万円を期間5年の60回払いで毎月末に返済しなければならないということですが、銀行側から見れば毎月末に定められた金額をきちんと返済している融資先に対しては、途中で一括繰上返済を求めることは出来ないという意味もあります。

これを銀行用語では「期限の利益」と呼んでいます。
すなわち借り手はきちんと契約どおりに返済している限りは5年間は借入が出来る権利があるということです。
きちんと契約どおりに返済をしている会社に対して、赤字決算だからという理由で銀行が一括繰上返済を求めることは「契約違反」です。
ですから銀行は赤字決算を理由に一括繰上返済を求めることは出来ないのです。
ただし延滞をしていれば、それは借り手側の「契約違反」ですから、場合によっては期限まで借入出来るという「期限の利益」を失い、一括繰上返済を求められる場合はあります。

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