売上高だけの数字資料が出てくる会社

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ある中小企業への融資検討時の話です。
この中小企業は服飾関係の小売業で、5店舗ほどを直営にて運営しています。
運転資金の申し出があり、足許の業績を確認するために試算表の提出をお願いしました。
売上のピッチこそ前期比増加していたものの、肝心の損益は赤字の状態でした。
今期の決算着地見込みを当社にヒアリングしたところ、数百万円程度の黒字になるとの連絡がありました。
黒字予想自体は良いことなのですが、融資を検討する銀行としては足許の試算表が赤字の状態においてどのようにして黒字決算に持っていくのか、その裏付けの検証が欠かせません。
そこで当社に対して決算月までの月次の収支見込みや、店舗毎の収支状況がわかる資料の提出をお願いしたところ、出てきた資料は今後の毎月の売上計画と店舗毎の売上実績。
銀行としては売上の予想を教えてもらっても、それが今期決算の黒字の検証材料とはなりません。
問題なのは収支、つまり損益です。
決算までの残された期間でこれだけの利益が見込まれるから、黒字決算となる資料がほしいのです。

このような当社とのやり取りを踏まえると、要するにこの会社は売上だけに力点を置いており、損益面への意識が弱いということです。
銀行はこのような体質の会社は好みません。
極端な言い方をすれば、売上はどうでもいいからどのようにして利益を確保していくのか、そこに重点を置いている会社を好むのです。
今回の会社のようにとにかく売上を追い求める会社は少なくありません。
確かに売上がなければ何も始まりません。
しかし最終的にはどのくらい儲かったのかが大切なはずです。
この点への関心が弱い会社には銀行として積極的な融資は出来ないのです。

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