小売業に対する銀行員の基本的な見方

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小売業は最も身近な存在

小売業は私たちにもっとも身近な存在です。
食品スーパー、百貨店、コンビニエンスストア、雑貨店、本屋などこれらはすべて小売業です。
多種多様の取引先の中で、もっとも私たちに身近でまた消費者に直結しているのが小売業であり、商売の原点とも言えます。
当たり前のことですが銀行員自身も消費者の一人であり、他の業種に比べて銀行員にとっても馴染みかがありわかりやすい業種と言えるでしょう。

小売業と在庫

消費者に商品を買ってもらうためには、簡単ではありませんが消費者のニーズを的確に把握し、売れ筋となる商品の品ぞろえに注力しなければなりません。
消費者のニーズに合致しない商品や流行おくれの商品を店先に並べても、消費者は買ってくれません。
売れ残りの商品はすぐに不良在庫に直結してしまいます。
例えば花屋さんを想像してみてください。
花が商品としての価値を有するのはせいぜい2,3日です。
売れ残りの花はもう廃棄処分にするしかありません。
したがってどの商品をどれくらい仕入するかは小売業にとって最も大切なところであり、またもっとも経営者の頭を悩ませるポイントかもしれません。
小売業と一言にいっても扱う商品は様々ですが、共通して言えることはこれら商品の回転率が高いことが望ましいと言えます。
月商対比どの程度の在庫を保有しているのか、その保有高は取り扱う商品から違和感のないものかどうか、つまり高すぎないかどうかを銀行員は見ています。

小売業と立地

ネット販売が増加している昨今では以前のように一概には言えないかもしれませんが、実店舗を有する小売業の場合にはとにかくお客さんにお店にきてもらわなければ始まりません。
ということは人通りの盛んな場所など、店舗の立地が売上の増加・維持にはとても重要なポイントとなります。
立地状況や一日当たりの来店客数と過去からの推移を銀行員は気にしています。

売上は販売個数✖️単価

来店客数に加えて客単価も銀行員が見ている大きなポイントです。
売上高というのは販売数量×販売単価で決まります。
したがって売上が増加している場合には①販売数量が増加しているのか ②販売単価が増加しているのかのどちらの要因が多いのかを見ています。
逆に売上が減少している時には①販売数量が減少しているのか ②販売単価が低下しているのか、どちらの要因が多いのかをやはり見ています。
銀行員が上記の質問を受けて即座に返答出来ないと「この経営者は実態を把握しようとしていない」などとネガティブな見方を銀行員に植えつけてしまうことになります。

小売業は原則として運転資金は不要

小売業に共通することとして販売形態のほとんどが現金商売だということです。
コンビニエンスストアで私たちがペットボトルを購入する際、ほとんどの人は現金にて購入すると思います。
またそもそも、掛けで商品を売ってくれるコンビニエンスストアはありません。
このように小売業は現金商売であることがほとんどですから、運転資金は原則として不要の業種です。
せいぜい在庫分の運転資金が必要なくらいです。
これが小売業の大きな特徴です。
運転資金というのは売上を現金で回収するまでの資金のつなぎとして必要となるものです。
その点、小売業は現金商売ですから売上の発生と同時に現金にて回収出来ますから、資金のつなぎの必要性がないのです。
このような小売業から運転資金の相談を受けた際には銀行員は警戒をします。
運転資金が必要のないのに相談を受ける場合には往々にして売上が低迷しており赤字に陥っていることがあるからです。
つまり赤字が続けばやがて資金不足になりますから、それを補填するために融資の相談につながることが多いのです。

もっとも運転資金が必要となる小売業もあります。
例えば衣服の小売業です。
衣服というのはみなさんもご承知のとおり、季節によって着る種類が異なります。
春夏秋冬に合わせて売れ筋の衣服も異なります。
冬用に商品の仕入を強化することはよくあることです。
そしてこの時期には仕入のための運転資金が一時的に必要となります。



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