収益物件として賃貸マンションを一棟購入する、アパート経営を行うために新築アパートを購入するといったものは不動産投資となります。
不動産投資に対する銀行の融資審査について説明をします。
目次
不動産投資は根強い人気
時代とともに移り変わりはありますが、いつの時代においても不動産投資は人気です。
安定的な賃貸収入を目的として不動産投資は根強い人気があります。
銀行は不動産投資融資は融資額が多額になることが多いことから、不動産投資融資案件はいつの時代もねらい目の1つと位置付けられています。
不動産投資の融資審査の基本
不動産投資の融資審査の大きな基本は不動産から得られる賃貸収入によって融資の返済ができるかどうかということです。
仮に空室が多くなって賃貸収入が減っても他の収入で融資の返済が可能だとしても、それはあくまでも備えであり、不動産投資の融資審査の可否の基本は賃貸収入によって融資の返済ができるかどうかです。
満室が前提ではダメ
よくあることなのですが不動産投資の融資相談を受けて顧客から収支計画の提出を受けると、入居率が100%を前提にしていることがあります。
満室の状態での賃料収入をベースにて融資の返済がきちんとできると主張されてもそれは銀行には通用しません。
物件が常に満室ということはあり得ません。
確かに新築当時は満室からもしれません。
しかしその後時間の経過とともに空室が出て来るのが自然です。
入居率が70%、80%で返済ができるかどうか
また不動産投資の安全性の観点からも満室を前提にした収支計画は危険です。
不動産投資会社から「この地区は人気ですから満室が期待できます」などとセールスを受けることがあるかもしれませんが、それをそのまま鵜呑みにしてはいけません。
不動産投資の安全性を見る観点からも入居率が70%から80%であっても融資の返済に支障がないかどうかを見定めることが必要です。
実際に銀行での不動産投資の融資審査においては入居率を70%や80%にストレスをかけて、それでも融資の返済が可能かどうかを審査しています。
満室の場合でないと融資の返済ができないということであれば、その不動産投資の融資審査は通りません。
融資期間は建物の耐用年数の範囲内
建物にはその構造や用途によって耐用年数が定められています。
鉄骨鉄筋コンクリート造で用途が住宅の場合には法定耐用年数は47年となっています。
不動産投資の融資においてその融資期間はこの耐用年数の範囲内に収める必要があります。
建物を新築する場合の不動産投資の融資期間は最長で耐用年数となります。
中古建物の場合
不動産投資の対象は中古の建物の場合には耐用年数から築年数を差し引いた残りの期間が不動産投資融資の最長の融資期間となります。
例えば耐用年数47年の鉄骨鉄筋コンクリート造の1棟マンションを購入する場合、築年数が30年であれば、47年から30年を差し引いた残りの17年が不動産投資融資の最長の融資期間となります。
耐用年数の残存年数を超える融資期間を設定する場合もなかにはありますが、それは例外であり不動産投資融資の最長の融資期間は耐用年数の残存期間とするのが大原則です。
建築基準法違反の物件はダメ
これも実際にありますが、中古の建物付き不動産に投資する案件において容積率や建ぺい率が建築基準法に違反している物件の場合があります。
このような違法建築の投資案件に銀行が融資を行うことはありません。
不動産投資の融資審査のまとめ
以上、不動産投資案件に対する銀行の融資審査をまとめるとつぎのようになります。
まとめ
・不動産投資の融資期間は耐用年数の残存の期間内
・不動産が適法な物件であること