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銀行融資の基本 資金繰り

設備資金は銀行から借入した方が良いですか?

機械を購入するなどの設備資金を社長個人から借入するか、それとも銀行から借入するか迷っている事業者が少なくありません。
設備資金は可能であれば銀行からの借入で調達した方が良いというのが当サイトの考え方です。
設備資金を社長からの借入ではなく銀行からの借入にした方がよい理由を説明します。

設備資金の借入に関する質問

従業員10人程度の中小企業の経営者です。
製造業を営んでいます。
工場で使っている機械が古くなっているので1台新しい機械を購入しようかと考えています。
値段は1台300万円ほどです。
私自身300万円ほどの資金はありますので、私が会社に貸付をしてそれで機械を買った方が良いかなと思っています。
銀行から借入すると手続きが面倒ですし、金利もかかりもったいないからです。
しかし知り合いからは「銀行から借入した方がいいよ」と言われています。
もったいない気がするのですが銀行から借入した方が良いのでしょうか?

銀行に金利を支払うのがもったいない

銀行からの借入ではなく社長個人から借入することを選択するケースで多いのが、この「銀行に金利を支払うのがもったいない」という理由です。
たしかに銀行から借入をすると金利の支払がありますからもったいないといえばもったいないでしょう。
ただし金利の支払よりももっとも大切なことがあります。
それは資金繰りの安定です。

金利よりも資金繰りの安定が大切

資金繰りのショートは倒産

経営でもっとも重要なことは売上を増やすことではありません。
もっとも重要なことは資金繰りをショートさせないことです。
資金繰りがショートすればどれだけ売上が順調でもその一瞬で事業は破綻し倒産します。
資金繰りのショートは事業の前提条件である信用を一気に消滅させてしまうからです。

資金繰りがショートしてしまえば一瞬にて倒産してしまう

中小企業は会社と社長が一体

中小企業においては会社と社長が実質一体の関係にあります。
社長の個人資金はもちろん社長自身のものであり会社のものではありません。
ただし会社に何かあった場合に、中小企業においては社長が会社に個人資金を貸し付けて急場をしのぐことはよくあることです。
つまり社長の個人資金は会社の資金繰りの万が一の場合の最後の砦となります。

社長の個人資金は最後の砦

設備資金は資金が固定化する

今回、購入をしようとしている機械は今後、長期間にわたって会社の事業に貢献をするものです。
このことを資金繰りの側面から考えると機械の購入に充当した資金は今後長期間にわたって手元に利益の形で戻ってくるものです。
つまり設備資金の回収には長期間を要するのが一般的です。
とにかく設備資金は資金を固定化させる側面があります。
したがってすぐには手元には戻ってこない設備資金に資金繰りの最後の砦となる社長個人の資金を投入することは危険だということです。

銀行借入で資金繰りを安定させる

このため設備資金のように資金を固定化させるものはなるべく銀行借入を利用して社長個人を含めた資金は温存しておくことが将来のリスクを低減させる正しい考え方です。
金利がもったいないということを気にするよりも資金繰りを安定させることを優先して考えるべきです。

設備資金借入に関するまとめ

以上、設備資金の借入に関することをまとめますと次のようになります。

まとめ

・経営でもっとも大切なことは資金繰りを安定させること
・設備資金は資金を固定化させ資金繰りには間違いなくマイナス
・中小企業においては社長の個人資金は資金繰りの最後の砦
・銀行借入で社長個人の資金は温存しておくことが正しい

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