資金繰り

売上が増えると資金繰りはきつくなります

売上が増えれば収入が増えますから資金繰りが楽になりそうなのですが、実はその逆で売上が増えるとしばらくは資金繰りがきつくなるのです。
その仕組みをご案内します。

売上はすぐに現金として入ってこない

飲食店や小売店のように現金で物やサービスを売っているところは売上が発生と同時に現金が手元に入ってきます。
しかし多くの事業では掛売り、つまりツケで物やサービスを売っていると思います。
掛売りで物やサービスを提供しているとその代金は来月とか再来月とか、いずれにしても後になって入ってきますね。
一方で売上の増加に対応して商品の仕入を増やしたり製品を製造するための原材料を多く仕入れたりするなど、売上増加に対応した準備を行っているはずです。
つまり今までよりも多い仕入を行っているわけです。
そうすると売上代金が現金として入ってくる前に、いつもより多い仕入代金の支払いをする必要が出てきますから資金繰りがきつくなるのです。

ただし安心してください。
多くの場合、売上増加に伴い資金繰りがきつくなるのは一時的です。
次の資金繰り表をご覧ください。
資金繰り表
まずは①の現金収入の欄をご覧ください。
5月から入金額が増加していますが、これは3月、4月あたりから売上が増えてこれが5月以降の入金額の増加として表れてきているのです。
さきほどご案内した通り、掛売りで事業を行っていると売上の増加がすぐに入金額の増加に結びつかず一定のタイムラグがあるのです。
次に⑤の現金支払の欄をご覧ください。
3月以降の支払金額が増加しています。
これは売上の増加に備えて1月、2月あたりから仕入金額を増加したことによるもので、売上と同様、やはりツケで、つまり買掛で仕入をしていますから3月くらいから支払金額が増加しているものです。
以上を踏まえて⑪の経常収支の欄をご覧ください。
経常収支は商売上において入ってきたお金から出ていったお金を差し引いて手元にいくら残ったかを示しています。
4月にマイナス7百万円となってしまいましたが、その後の売上入金額の増加に伴い収支は改善し7月以降は安定的にプラスになっています。
収支がプラスということは手元に残るお金が増えたということです。

このように売上が増加してくると資金繰りがきつくなってしまいますが、売上の安定につれて資金繰りは楽になってきます。

売上が増えると必要な運転資金も増える

ところで今までよりも売上が増加すると必要となる運転資金も増加します。
(必要な運転資金についてはこちらの記事をご参照→所要運転資金を知りましょう
必要な運転資金の金額は次の算式で簡単に求めることが出来ます。
必要運転資金算出式
売上が増加しますと受取手形や売掛金が増加します。
また販売に備えて在庫量も増加するでしょう。
もちろん売上増加に応じて仕入、つまり支払手形や買掛金も増加しますが支払手形や買掛金は原価の金額であることに対して、受取手形や売掛金には原価に利益、つまり儲けがプラスされていますからこちらの金額の方が大きくなります。

ココがポイント

およそ事業を行う会社や人は売上が伸びることを目指して努力しているわけですから、その甲斐あって売上が増加したことはすばらしいことです。
ただしさきほど説明したように売上が増加すると原則として必要な運転資金の額が増加しますから、資金繰りを圧迫する要因にもなるのです。
ですから売上を伸ばす計画を策定するにあたっては今よりも必要な資金が増加することを前提にして、つまり資金繰り面を確認したうえで実行の移すことが大切です。

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