不動産業は信用保証協会の保証対象業種ですから、信用保証協会の利用が可能です。
不動産業に対する信用保証協会の考え方について説明をします。
目次
不動産業からの質問
不動産業を営んでいます。
現在、次のような事業を計画しています。
計画している内容は、
1.土地を仕入れて建物を建築して住宅として販売する
2.中古住宅を購入しリフォームして販売する
3.中古マンションを買取しリフォームして販売する
というものです。
土地を仕入れたりマンションを買取するには資金が必要です。
リフォームするにも資金が必要です。
こういった資金を信用保証協会の保証付融資で借入することは可能なのでしょうか?
不動産プロジェクト資金
ご質問のような事業を銀行や信用保証協会では不動産プロジェクトと呼んでいます。
このような不動産プロジェクト資金についても信用保証協会の利用は可能です。
不動産の仕入資金に加えてリフォーム費用も信用保証協会の利用が可能です。
売買契約書が必要
なお今回の質問のように不動産を仕入する資金の利用をする場合には、不動産の仕入に関する契約書、つまり不動産の売買契約書が必要です。
ただし不動産の売買契約書を締結するということは締結後は原則としてその契約を破棄することはできません。
つまり不動産の売買契約書を締結すれば不動産を必ず仕入しなければならないということです。
信用保証協会の審査時に不動産の売買契約書が必要となると、融資が受けられるかどうかわからない時点で不動産の売買契約書を締結することになってしまいます。
これは不動産業にとってはリスクです。
締結前の売買契約書で事前審査が可能
そのため不動産の売買契約書を締結する前のもの、簡単に言えば当事者が署名・捺印をしていない売買契約書にて信用保証協会では事前審査をしてくれます。
事前審査でOKとなったことが確認できてから、不動産売買契約書の締結をすることができますから安心です。
不動産業向けの運転資金には慎重
一方で不動産業向けの運転資金には信用保証協会は慎重です。
不動産管理業、賃貸業は運転資金は不要
一口で不動産業といってもいろいろな業務内容があります。
不動産業の中で不動産管理業や不動産賃貸業においては原則として運転資金は不要だと銀行や信用保証協会は考えています。
なぜなら不動産管理業や不動産賃貸業においてはそもそも運転資金が不要だからです。
それにもかかわらず不動産管理業や不動産賃貸業において運転資金が必要、つまり資金繰りが苦しいということは往々にして赤字に陥っているケースが大半です。
今後の業績に見通しが慎重に検討し運転資金をの融資を行うかどうかが検討されることになります。
不動産プロジェクト業への運転資金は危険
一方で今回の質問のような不動産のプロジェクトを行っている不動産業者に対する運転資金も信用保証協会はやはり慎重です。
プロジェクトを行っている不動産業に運転資金の融資を行った場合、その資金が他のプロジェクトに流用されたり、売れ行きが悪い他のプロジェクトの資金に流用される懸念があるからです。
そもそもプロジェクト資金はその不動産案件毎に銀行から融資を受けて行うものです。
そのプロジェクトに必要な資金はそのプロジェクトごとの銀行から融資にて調達するものです。
しかしそのプロジェクトの販売状況が悪かったりすると、当初のプロジェクト融資の返済に窮することもあります。
このような不動産業に対して運転資金を安易に融資をすると進捗が悪いプロジェクトに関わる融資の返済に流用される懸念があります。
このような背景もありプロジェクトを行っている不動産業に対しても信用保証協会は運転資金の支援には慎重です。