個人事業主が銀行から融資を受ける場合に、担保は必要なのか、また家族などを保証人にしなければいけないのかいろいろな疑問があると思います。
その疑問に融資担当の銀行員が説明します。
個人事業主とは
個人事業主とは会社の形態ではなく個人の形態で事業を行っている方々です。
飲食店、運送屋さん、お医者さん、服屋さん、フリーランス・・・。
世の中には個人事業主があふれるほどいらっしゃいます。
個人事業主は銀行から融資を受けられるのか
もちろん個人事業主も銀行から融資を受けられます。
会社が銀行からさまざまな融資を受けているとのまったく同一の融資を利用することが出来ます。
担保や保証人は必要なのか
必要ありません。
もちろん担保や保証人をいただいて融資をしているケースもありますが、むしろ担保なし、保証人なしで融資をしているケースの方が多いです。
担保について金額が多額になる場合や不動産を購入する融資の場合には担保を徴求しています。
一方で保証人については原則として個人事業主宛の融資では銀行は徴求していません。
たしかに以前は個人事業主の方に融資を行う際には、少なくとも保証人を立てていただいて融資を行うことが当たり前でしたが、今では保証人を取らないのが銀行融資の定番です。
銀行が個人事業主宛の融資において保証人を徴求するケースとしてはその個人事業主がかなりの高齢で息子さんが事業を引き継ぐような場合に「次の個人事業主」としての位置づけから息子さん、つまり後継者を保証人に徴求するくらいです。
信用保証協会の保証付融資が定番
このように個人事業主宛の銀行融資は無担保無保証にて取り扱うことが一般的です。
しかし銀行からすると担保もない、保証人もないということであれば融資の返済面に不安です。
またあくまでも一般論ですが会社に比べて個人事業主の場合はどうしても脆弱というか信用力が見劣りします。
銀行としては融資した資金は返済をしてもらい回収しなければなりません。
万が一回収出来ないとなれば、銀行は多額の損失を被ることになります。
そのため個人事業主宛の融資には万が一の時にも回収出来ないという事態を保全するものが必要となります。
その保全するものとして信用保証協会という公的機関が存在します。
信用保証協会とは簡単に言えば個人事業主が銀行から融資を受けるにあたって保証人になってくれる公的機関です。
したがって銀行の個人事業主宛の融資実務では信用保証協会の保証付にて融資を行うことがほとんどです。
もちろん信用保証協会も保証を行うにあたっては、無担保、無保証を原則としています。
このように個人事業主は担保なし、保証人なしで銀行から融資を受けることが出来ます。