担保売却でプロパー融資と保証協会の返済について

不動産担保を売却した場合に銀行に融資の返済が条件となるのが一般的です。
銀行からプロパー融資と保証協会付融資の両方を借入している場合にどの融資の返済をすれば良いのかのテーマです。

担保売却と返済についての質問

銀行から現在プロパー融資と保証協会付融資を借入しており、リスケをしています。
今回、借入の一部を返済して楽になるために担保に入れている不動産を売却することを検討しています。
売却した資金の一部を借入の返済に充てて、いくらかは運転資金として手元に残したいと考えています。
銀行に相談したらプロパー融資だけではなく保証協会付融資の返済も行う必要があることの話をされました。
こちらとしてはプロパー融資だけ返済をして、残りの資金を手元に残したいと考えています。
プロパー融資と保証協会付融資の両方を返済をしないと担保の売却ができないのでしょうか。
また両方を返済したら手元に資金が残らなくなる可能性もあり何とかできないのでしょうか。

リスケ中の担保売却

今回のケースではリスケ中であることが大きな問題となります。
リスケは銀行と保証協会の双方がリスケを許容している状態です。
この状態で担保売却などの資金で借入の一部返済を行う場合には、プロパー融資と保証協会付融資の残高の按分に応じて返済することが原則となります。
例えばプロパー融資500万円、保証協会付融資1,500万円、合計2,000万円の借入があるとします。
この状態で担保売却で1,000万円の返済を行う場合、1/4の250万円をプロパー融資の返済に、3/4の750万円を保証協会付融資の返済に充てるのが原則です。
これが残高按分の考え方です。
リスケは銀行と保証協会にとっては好ましからざる状態です。
しかしリスケを認めているのですから、一部返済を行う場合には残高按分して銀行と保証協会が平等になるように返済するのが原則なのです。

返済額自体の交渉

今回の質問者の大きな希望は担保売却による資金の一部を手元に運転資金として残しておきたいというものです。
したがってプロパー融資、保証協会付融資のどちらを返済するのではなく、総額でいくら返済をするのかを銀行と相談することが望ましいです。
例えば担保売却で1,500万円の資金が手元に入るが、500万円は手元に残しておきたいとするならば、1,000万円の返済で担保売却の了解が取れるように銀行と相談をするのです。
今後の業績の見通しや資金繰りに見通しを説明し、いくらの返済で担保売却ができるのかを銀行と相談をしてください。
担保売却には担保を外してもらう必要がありますから必ず銀行との相談が必要となります。
そしてプロパー融資にいくら、保証協会付融資にいくら返済をするのかは銀行と保証協会との協議となります。

担保売却と借入返済についてのまとめ

以上、担保売却による借入返済についてまとめますと次のようになります。